前回の記事はコチラへ!
というわけで今回は、同じく人気漫画家・鳥飼茜さんのおすすめ作品をご紹介させていただきたいと思います!
ちょうどその時期の出来事を、浅野いにおさん同様に日記として公開されていて(WEBちくまにて連載)、その日記をまとめたのが今回おすすめする著作『漫画みたいな恋ください』です!
こんな方におすすめ
- 面白い漫画・エッセイが読みたい方
- 漫画家がどんなことを考えながら生活しているか興味がある方
- 漫画家・鳥飼茜さんのファンの方
漫画家夫婦(鳥飼茜・浅野いにお)の生活『漫画みたいな恋ください』
それではさっそく、鳥飼茜さんの簡単なプロフィールから見ていきましょう。
鳥飼茜(とりかい・あかね)さんは、1981年生まれ、大阪府出身の漫画家。
大学在学中に描いた漫画が雑誌の漫画賞を受賞し、2004年にデビュー。
2010年、『おはようおかえり』で青年誌初連載。
その後も、『先生の白い嘘』『ロマンス暴風域』や、ドラマ化もされた『地獄のガールフレンド』など、多数の作品を手がけて人気を博している。
現在は、「ビッグコミックスピリッツ」にて『サターンリターン』を連載中。
関連サイト
僕が初めて鳥飼茜さんの漫画作品に触れたのは、『先生の白い嘘』でした。
かなりヘビーな内容で、「面白い!」という単純な感想よりも、読んでいてしんどくなるような描写や展開も多々ありましたが……最後まで目が離せない切実さが強烈に印象に残り、それ以前や以降の作品を追いかけるきっかけになりました。
主に青年誌でご活躍されていることからもわかるとおり、鳥飼茜さんの作品は少女漫画のようなファンタジーではなく、かなりリアルで大人の鑑賞にこそ適した注目作が多くあります。
ではここからは、そんな鳥飼茜さんのおすすめ作品をご紹介していきます!
『漫画みたいな恋ください』
まずは、冒頭でもご案内した書籍『漫画みたいな恋ください』です。
2018年の4月から7月までの日記をまとめた本書の内容は、恋人との確執や、息子との衝突、漫画家としての苦悩……どこまでも赤裸々に綴られていく日常の迷い、苦しみ、戸惑い、ささやかな喜びが、強く心に残る一冊です。
そんな本書の中で、とくに心に残った文章を少しだけ抜粋させていただきたいと思います。
運命の出会いなんてないと誰もが知っている。運命に、したのだ。
現代で恋愛を楽しめる人というのは、お金や時間がある人のことではない。私が思うに、「他人は独占できない」という絶対の道理を丸ごと飲み込んだうえで、そのままならなさを侘び寂びとして楽しめる雅(みやび)を持った人たちのことである。それ以外の人は、「恋愛してなければ幸せではない」という無言の圧力と、たまたま気に入った誰かを独占したいのにそれが叶わないという絶望とのあいだをわーわー言いながら行ったり来たりしているだけである。
アシスタントさんのお母さんのフラダンス仲間である女性がフラを始めてからどんどん綺麗になり、最終的に閉じていた月のものが再開したという仰天エピソードに皆が歓声をあげた。大丈夫、私たちにはフラがあるんだ。皆がそう思った。
子供がいるんだから、産んだ自分の責任だから、と我慢したり諦めたり無理をしてきたものが知らぬ間に少しずつ堆積していた。誰に向かってか分からない弁解を、無人の客席に対して常に演説し続けてきた。子供、という存在の大きさがそのまま強い照明となって舞台を照らし、その分客席が暗くよく見えないままに私は壇上を右往左往していたようだった。どこに向かって演じても拍手が聞こえないのは、そこに誰も座ってはいなかったから。
「相手が優れていることが、即ち自分の劣っていること」と捉える癖を、私は最近どこかに少しだけ捨ててきたらしい。
いかがでしょうか?
僕はこうした文章にドキリとさせられたり、考えさせられたりしながら、とても充実した読書体験をさせていただきました。
前回ご紹介した浅野いにおさんの日記(『漫画家入門』)と合わせて読むと、こんなにも違うふたりの人間が一緒にいることの驚きや面白さが加味されて、より興味深い読書体験になると思います!
おすすめです!
余談
ちなみに、本作の日記が書かれたのと同時期(2018年6月頃)といえば……
僕は、初めてのタイ旅行を楽しんでいたのでした。
家を買ったり、2度目の結婚をしたり、子育てに悩んだり、連載漫画の展開に苦しんだり……毎日ハードな課題と向き合っている鳥飼茜さんの切実な日々のあと、お気楽な自分の記事を振り返って、なんだか軽く落ち込んでしまいました……。
でもまあ……そんなお気楽な大人も存在価値がないわけじゃない!と信じて生きていくしかないですね(笑)
もし、お気楽な旅行記を読んでみようかなと思ってくださる奇特な方がいらっしゃったら、ぜひ下記のリンクよりお読みいただければと思います!
2018年のタイ旅行記はコチラへ!
閑話休題。
続いて、合わせて読みたい鳥飼茜さんのおすすめ漫画作品をご案内していきます!
『先生の白い嘘』
最初にご紹介するのは、性暴力を真正面から描いた問題作『先生の白い嘘』。
あらすじ
24歳の高校教師・原美鈴の平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者・早藤との再会をきっかけに揺らぎはじめる……。
そんななか、教え子の男子生徒・新妻に、「人妻と不倫している」という噂が立ち、美鈴は新妻と面談することになるのだが……!?
おすすめポイント
女であること、男であること、その不平等や理不尽さとガッツリ向き合う本作の内容は、かなりハードです。
それは、描写や展開が「過激」というよりも、自分を追い込んで追い込んでどんどん出口が見えなくなって息苦しくなっていくようなハードさで、正直、読んでいて「スッキリ気持ちが晴れる」ようなタイプの漫画とは正反対。
読者を選ぶタイプの作品かもしれません。
ですが……だからこそ!
こうした作品が幅広い世代や考え方の読者に届き、活発な議論が生まれると良いなとも思います。
おすすめです。
漫画を読む
『地獄のガールフレンド』
続いては、「このマンガがすごい!2016」オンナ編にランクインしたことでも話題になった『地獄のガールフレンド』。
あらすじ
バツイチ・シングルマザーの島田加南、セカンドバージンの真面目OL・首藤悠里、モテる股ゆる女・出口奈央……そんな、友達がいない3人の女性が出会い、ひょんなことから一軒家で同居をスタート!
「女であること」の生きづらさを抱えながら、日々のもやもやを語り合う3人の同居生活は、やがて少しずつ変化が訪れて……!?
関連サイト
おすすめポイント
暗くてハードな印象が強い鳥飼茜さんの漫画作品ですが……『地獄のガールフレンド』は、その他の作品と同じ問題意識を扱いながらも、軽やかなコメディになっていて、気楽に楽しめる内容です。
とても面白くて大好きな作品です。
漫画を読む
『サターンリターン』
最後にご紹介するのがこちら、「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の『サターンリターン』!
あらすじ
書けない小説家・加治理津子は、ある日、かつてもっとも心を許した男友達・中島が自殺したことを知らされる……。
「30歳になる前に死ぬ」と語っていた中島が、どうして死ななければならなかったのか……!?
中島の死の謎は、やがて、理津子の夫婦生活を曇らせていくことになって……!?
試し読み!
おすすめポイント
単行本1巻の帯には、「絶望にしか救えない絶望がある」「ドラマチックかつリアリティのある作品」と、小説家・村田沙耶香さんや、ミュージシャン・岸田繁さんの推薦文が並んでいますが、鳥飼茜さんの新たな代表作になる予感に満ちた一作です。
ちなみに、「サターンリターン(土星回帰)」とは、土星の公転周期(約30年)のこと。
また、占星術では「約30年に1度、人生で大きな転機が訪れる」と言われていて、土星は「凶」の象徴。そのため、この時期には人が自殺しやすいとも言われているそうです。
興味のある方は、ぜひお読みください。
漫画を読む
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、鳥飼茜さんの著作『漫画みたいな恋ください』と合わせて、おすすめの漫画作品をご紹介させていただきました。
なかでも、『鳥飼茜の地獄でガールズトーク』に収録された豪華対談(浅野いにお、岸田繁、古谷実)は必読!
鳥飼茜さんが、かつて古谷実さんのアシスタントを務めていらっしゃったというのも面白い繋がりですよね。
漫画を読む
というわけで、今回は以上「漫画家夫婦(鳥飼茜・浅野いにお)の生活『漫画みたいな恋ください』」でした!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
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