作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

11月 17, 2020

作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

 

以前、インスタグラムで簡単に紹介したことはあるのですが、今回は僕が近年読んだ小説の中で、とくに強く印象に残っている大好きな小説をご紹介したいと思います!

 

その作品がこちら。

人気作家・吉田修一さんの『国宝』です!

 

 

2002年に『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞した吉田修一さんは、その後も『悪人』『横道世之介』『怒り』など多くの話題作を手がけてきた人気作家。

そして、2018年に「作家生活20周年記念作品」として刊行され、大きな話題を呼んだのが、この渾身の長編小説『国宝』なのです。

 

歌舞伎の世界を舞台に、「極道と梨園。生い立ちも才能も違う、若き二人の俳優が、芸の道に青春を捧げていく」生き様を描いた傑作小説です!

 

これまで吉田修一作品を読んだことのない方や、「歌舞伎についてはあまり知識がない」という方でも、きっと楽しめるはず!

ぜひ手に取っていただきたい、おすすめ小説です。

 

というわけで今回は、「作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ」させていただきたいと思います!

こんな方におすすめ

  • 面白い小説が読みたい方
  • 俳優の生き方に興味がある方
  • エンターテイメントの世界に興味がある方

 

作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

吉田修一

まずは、吉田修一さんのプロフィールを簡単に見ていきましょう。

吉田修一(よしだ・しゅういち)さんは、1968年生まれ、長崎県出身の作家。

1997年『最後の息子』文學界新人賞を受賞して、作家デビュー。

2002年には、『パレード』山本周五郎賞『パーク・ライフ』芥川賞を受賞。それぞれ純文学と大衆小説の文学賞を受賞する快挙を果たし、大きな話題となりました。

また、2007年には『悪人』毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞

2010年には、『横道世之介』柴田錬三郎賞を受賞

2019年には、『国宝』芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞を受賞

これまでの作品は、英語・仏語・中国語・韓国語に翻訳され海外でも大きな注目を集めています。

なお、2016年から芥川賞選考委員も務めています。

関連サイト

 

僕が初めて吉田修一作品に触れたのは、『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞したころだったかと思います。

『最後の息子』や『熱帯魚』『パーク・ライフ』などを続けて読んで以降、ずっとお気に入りの作家のひとりとして追いかけています!

 

それでは、さっそく傑作小説『国宝』について見ていきたいと思います!

 

『国宝』

作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

あらすじ

1964年──。

任侠の一門に生まれた美少年・喜久雄と、上方歌舞伎の名門の家に生まれた俊介。

二人の若き才能が出会い、やがて、日本の成長と歩みを合わせるように、二人は絆を育み、芸を磨いていく……。

長崎から大阪、そして高度成長後の東京へと舞台を移しながら、喜久雄と俊介はそれぞれに、栄光とスキャンダル、信頼と裏切り、歓喜と絶望を享受しながら、舞台・映画・テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、その頂点へと登りつめていこうとするのだが……!?

 

僕は、吉田修一ファンなので、『国宝』も書店に並んだのを見てすぐに購入して楽しんだわけですが……それまでの作品とはまるで違う文体に面食らいながらも、読み始めたらグイグイと物語に引き込まれていき、感情を大きく揺さぶられながら一気に最後まで読み切ってしまいました。

 

歌舞伎を書こうとした時に、普通は外から歌舞伎の世界を観るわけじゃないですか。でも僕の場合は、ありがたいことに内側にちょっとの間だけど入れてもらえて、内側から外を観れた。一瞬にせよ、この経験をさせてもらった作家はたぶんいないんだろうなと。

関連サイト

 

上記のインタビュー記事では、本作執筆の取材として、歌舞伎の公演に裏方として関わることになった経緯が語られていてとても面白いのですが、当然、同じように取材をしたとしても、作家が誰しもここまでの密度で作品を仕上げられるわけではありません。

 

芝居だけに生き、鳴りやまない拍手と目がくらむほどのまばゆい光を全身に受ける……そんな人生を駆け抜けていく二人の男たちの人生を、豪快に、そして繊細に描き切る吉田修一さんの力量には、ただただ圧倒されるばかりです。

 

「極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく」本作は、刊行当時「作家生活20周年」となった吉田修一さんにとって、紛れもなく渾身の大作と言って良いボリュームと深みを持った傑作!

 

読書がお好きな方だけではなく、脚本家志望の若い方や、俳優になりたいと考えている若い方にも、おすすめしたい一作です!

上下巻の長編小説なので、ぜひ長期休暇などを利用して、どっぷりその世界に浸ってみてはいかがでしょうか!

 

小説を読む

 

『国宝』と合わせて観たい映画『残菊物語』!

作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

さて、ここでもうひとつ、おすすめ作品をご紹介したいと思います!

それが……

『国宝』の執筆に大きな影響を与えている映画溝口健二監督の『残菊物語』です!

 

『残菊物語』は、『国宝』の俊介と同じで、一度は落ちぶれた歌舞伎役者が旅回りをして復活する話なんですけど、その時に踊って見せるのが『積恋雪関扉』で「スゴイ!」と思って、あれでヤラれちゃいましたね。

 

上記で紹介したインタビュー記事の中で、著者・吉田修一さんはこのように語っています。

 

古い映画なので、若い世代の方はあまり観る機会がないかもしれませんが、『残菊物語』は名作揃いの溝口健二監督作品の中でも突出した傑作だと思います!

 

『残菊物語』

『残菊物語』

公開年は、1939年。

監督は、溝口健二。構成は川口松太郎、脚色は依田義賢。

出演は、花柳章太郎、森赫子、河原崎権十郎、高田浩吉、など。

あらすじ

五代目・尾上菊五郎の養子として育った菊之助(花柳章太郎)

その立場から周囲にもてはやされる菊之助は、唯一自分の芸の未熟さを指摘してくれる乳母・お徳(森赫子)に恋心を抱くようになって……。

やがて、お徳とともに家を飛び出し、大阪へとやって来た菊之助は、旅役者になって貧しい暮らしを送ることになるのだが……!?

 

おすすめポイント

歌舞伎界の御曹司と女中の許されざる恋……。

そんな物語の内容は、もしかしたら「古くさいメロドラマ」と感じられるかもしれませんが、「ワンシーンワンカットの技法を確立した」と言われる溝口健二監督の演出は、見どころたっぷり!

思わず、うっとりと惚れ惚れしてしまう一作です。

 

僕は、以前リバイバル公開された際に、思わず2度劇場に足を運んでしまいましたが、ほんとに何度観ても酔いしれるような感動を味わえる大傑作だと思います!

 

映画を観る

 

まとめ

作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ

いかがだったでしょうか?

今回は、吉田修一さんの傑作小説『国宝』と、合わせて溝口健二監督の『残菊物語』をご紹介させていただきました。

 

もちろん好みは別れると思いますが、気になる作品があればぜひ手にとっていただければと思います。

楽しい読書の参考にしていただけたら幸いです!

 

おすすめ!

 

というわけで、今回は以上「作家生活20年・渾身の作品|吉田修一の傑作小説『国宝』をおすすめ」でした!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた!

 

 

 

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