映画やドラマ、動画撮影・動画編集などに興味がある方に少しでも有益な情報をお届けできればと願いつつ書かせていただきますので、ぜひ最後までお読みいただけたらうれしいです!
こんな方におすすめ
- 短編動画・ショートムービーに興味がある方
- ビジネスが成功・失敗する理由について興味がある方
注目の「短編動画・ショートムービー配信サービス」が失敗した理由
2020年にアメリカで始まり、大きな注目を集めたのが短編動画配信サービス「Quibi(クイビィ)」!
ところが……残念ながら、「Quibi」はわずか4ヶ月でサービス終了してしまいました……。
というわけで今回は、大きく注目されていた短編動画の配信サービス「Quibi」が失敗した要因について、あらためて考えてみます!
まずは、結論から見ていきましょう。
「Quibi」が失敗した理由
「Quibiが失敗した理由」として考えられるのは、以下のとおりです。
競合である「Disney +」が予想以上のスピードで会員数を伸ばし、その戦いに敗れた。
旧来のハリウッド的なアプローチをした。
「共有」を前提としないプラットフォームだった。
「10分程度のショートムービー」が、いまの若い世代には「長い」ものだった。
上記に挙げた要因は、下記の記事で「Quibiが失敗した4つの理由」として指摘されたものをもとにしています。
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順番に詳しく見ていきます。
競合である「Disney +」が予想以上のスピードで会員数を伸ばした
まず挙げられる大きな要因のひとつは、競合であるディズニーの動画配信サービス「Disney +」(2019年11月にサービス開始)が初日で1000万人の加入者を獲得するなど、予想以上のスピードで会員数を伸ばしたことが考えられます。
そのため、「Quibi」は配信する作品のクオリティーで勝負をしようと考えたのでしょう。
そこで選ばれたのが、スティーブン・スピルバーグや、ギレルモ・デル・トロ、アントワン・フークアといったハリウッドの大物監督たち。
ところが、それが仇となった可能性も考えられます……。
旧来のハリウッド的なアプローチをしたこと
「Quibiが失敗した理由」として考えられるふたつめの要因は、「旧来のハリウッド的なアプローチ」をしたこと。
作品の圧倒的なクオリティと話題性のために起用されたハリウッドの大物監督たちですが……そもそも彼らはモバイルネイティブ世代ではありません。
そのため、そうした「旧来のハリウッド的な(ヒットの法則を狙った)アプローチ」が、いまの若い世代の「動画視聴に対する感覚」とマッチしなかった可能性があるのです。
では、いまの若い世代の「動画視聴に対する感覚」とはどういったものか? ということですが……たとえばそのひとつのキーワードが「共有」というものかもしれません。
「共有」を前提としないプラットフォームだった
「Quibi」では当初、著作権の観点から、スクリーンショットが撮れない仕様になっていました。
そのため、そうした「『共有』を前提としないプラットフォーム」だったことが、「共有(シェア)すること」が前提の感覚になっているモバイルネイティブ世代の肌感覚とは合わないものだったとも考えられます。
これはとても興味深いポイントだなと思います。
音楽は無料で聴くもの。
映画は無料で観るもの。
こうした感覚で音楽や映画を鑑賞している人が増えている……というのは、僕自身の生活のなかでも間違いなく実感として感じ取れるもの。
どうやら、10年くらい前から指摘されていた「FREE(無料)」や「共有(シェア)」というキーワードが、いまは当然の感覚として広がっているんでしょうね。
その他に考えられる「失敗」の理由
その他にも、「Quibi」が失敗した原因と思われることがいくつかあるようです。
コンテンツの表示速度が遅い
そのひとつが、「Quibi」は「コンテンツの表示速度が遅くて、検索も使い勝手が悪かった」という指摘です。
視聴がスマホに限定されていた
もうひとつは、「Quibi」が「視聴がスマホに限定されていて、テレビ画面に写せない仕様だった」こと。
もちろん、「Quibi」としては、スマホ視聴だからこそ「10分程度のショートムービー」が普及するという目論見だったはずですが……
そこにも大きな問題が潜んでいたようです。
それが、続いてのこちら。
「10分程度のショートムービー」が、いまの若い世代には「長い」ものだった!?
スマホで観る動画だからこそ、「10分程度のショートムービー」だった「Quibi」ですが……
いまの若者たちが好む「スマホ視聴」の時間感覚は、TikTokのような「数10秒程度」のものかもしれない、ということです。
そうした感覚があるのかもしれません。
ですが、先述したとおり、「Quibi」では「視聴がスマホに限定されていて、テレビ画面に写せない仕様だった」ため、ここでもユーザーに使い勝手の悪さを感じさせてしまったというわけです……。
さて、ここでもうひとつ、最近週刊誌で取り上げられていた興味深い記事をご紹介したいと思います。
映画もドラマも〈2時間〉はつらい!?
ご紹介する記事は、『AERA(アエラ)』(2021年1月18日No.3号)に記載された、「映画もドラマも〈2時間〉はつらい」というものです。
なぜ、2時間の映画を観る集中力が続かないのか?
その原因は、コロナ禍の影響や、スマホ・SNS中毒気味となった習慣、そもそも面白くない映画は途中で観るのをやめるからなど、さまざまなものがあるようですが、その記事が強調しているのは、以下のような感覚です。
集中力が続かない原因
YouTube視聴が習慣になり、映画やドラマの長時間ストーリーは疲れるようになった。
2時間じっと座って鑑賞する、というスタイルが廃れつつあるのでは?
(YouTube同様に映画やドラマも)重要だと思えないシーンは、1.5倍速で観る。
15分程度のショートドラマが、もっとも見やすく感じる。
そして、
映像コンテンツがあふれるなかで、長尺の映像作品は衰退していってしまうのか。映画は過去の遺物になってしまうのか。
(中略)
「現代は、長時間動画を受け入れられる文脈を作ることが重要です」
という言葉で締め括られています。
しかし、あえてここで注目したいのは、こちらの意見。
15分程度のショートドラマが、もっとも見やすく感じる。
つまり……「Quibi」は失敗したけれど、「ショートドラマ」「ショートムービー」「短編動画」にはやはり大きな需要があるのかもしれません。
そう考えると、今後またこうした需要に対して、「面白いショートムービー」が観られるプラットフォームや動画配信サービスが注目されていく可能性は充分あると思うのです!
今後の動画配信サービスはどうなる?
ショートムービー市場の競争が加熱している
(少し前のものですが)下記の記事では、「TikTokに代表されるショートムービー市場の競争が加熱している」として、さまざまな短編動画アプリを紹介しつつ、今後の動向と課題について考察されています。
関連サイト
また、最近では中国で短編動画アプリ快手(Kuaishou)が大規模なIPO(新規株式公開)を目指すというニュースもありました。
関連サイト
ショートムービー(短編動画)の配信サービスについては、今後さらにさまざまな動きが起きてくるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、2020年に大きな注目を集めながらも半年足らずで終了した短編動画・ショートムービー配信サービス「Quibi」について、その失敗した理由を取り上げてみました。
気になるニュースがあったときには、またこのブログで取り上げていこうと思っています!
というわけで、今回は以上「注目の『短編動画・ショートムービー配信サービス』が失敗した理由」でした!
最後までお読みいただいてありがとうございました。
それではまた!
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