
注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?

映画やドラマ、動画撮影・動画編集などに興味がある方に少しでも有益な情報をお届けできればと願いつつ書かせていただきますので、ぜひ最後までお読みいただけたらうれしいです!
昨年になりますが……
これから5Gの時代になり、さまざまな動画配信サービスが普及するなか、これからは「短編動画・ショートムービーが注目されるだろう」と考え、こちらの記事を書きました。
>> ショートムービーの時代が来る!?短編動画配信サービスQuibiとは?
当時、アメリカで始まった大注目の短編動画配信サービス「Quibi(クイビィ)」について取り上げた内容です。
ショートムービーの時代が来る!?短編動画配信サービスQuibiとは?
ところが……
この記事で紹介していた動画ストリーミングサイト「Quibi」は、残念ながらわずか4ヶ月でサービス終了してしまいました……。

というわけで今回は、この大きく注目されていた短編動画のストリーミングサイト「Quibi」が失敗した要因について、あらためて考えてみたいと思います。
注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?
さっそくですが、「Quibiが失敗した理由」として考えられるものは、以下のとおり。
競合である「Disney +」が予想以上のスピードで会員数を伸ばし、その戦いに敗れた。
旧来のハリウッド的なアプローチをした。
「共有」を前提としないプラットフォームだった。
「10分程度のショートムービー」が、いまの若い世代には「長い」ものだった。
上記に挙げた要因は、下記の記事で「Quibiが失敗した4つの理由」として指摘されたものをもとにしています。
>> スマホ特化の動画ストリーミングQuibiが失敗した4つの理由
競合である「Disney +」が予想以上のスピードで会員数を伸ばした

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?
まず挙げられる大きな要因のひとつは、競合であるディズニーの動画配信サービス「Disney +」(2019年11月にサービス開始)が初日で1000万人の加入者を獲得するなど、予想以上のスピードで会員数を伸ばしたことが考えられます。

そのため、「Quibi」は配信する作品のクオリティーで勝負をしようと考えたのでしょう。
そこで選ばれたのが、スティーブン・スピルバーグや、ギレルモ・デル・トロ、アントワン・フークアといったハリウッドの大物監督たち。
ところが、それが仇となった可能性も考えられます……。
旧来のハリウッド的なアプローチをしたこと

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「Quibiが失敗した理由」として考えられるふたつめの要因は、「旧来のハリウッド的なアプローチ」をしたことかもしれません。
作品の圧倒的なクオリティと話題性のために起用されたハリウッドの大物監督たちですが……そもそも彼らはモバイルネイティブ世代ではありません。
そのため、そうした「旧来のハリウッド的な(ヒットの法則を狙った)アプローチ」が、いまの若い世代の「動画視聴に対する感覚」とマッチしなかった可能性もあるかと思います。
では、いまの若い世代の「動画視聴に対する感覚」とはどういったものか? ということですが……たとえばそのひとつのキーワードが「共有」というものかもしれません。
「共有」を前提としないプラットフォームだった

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「Quibi」では当初、著作権の観点から、スクリーンショットが撮れない仕様になっていたようです。
そのため、そうした「『共有』を前提としないプラットフォーム」だったことが、「共有(シェア)すること」が前提の感覚になっているモバイルネイティブ世代の肌感覚とは合わないものだったとも考えられます。
(「Quibi」も途中からは専用ツールでスクリーンショットが可能になったものの、使い勝手が悪かったようです)
これはとても興味深いポイントだなと思います。
音楽は無料で聴くもの。
映画は無料で観るもの。
こうした感覚で音楽や映画を鑑賞している人が増えている……というのは、僕自身の生活のなかでも間違いなく実感として感じ取れるもの。
どうやら、10年くらい前から指摘されていた「FREE(無料)」や「共有(シェア)」というキーワードが、いまは当然の感覚として広がっているんでしょうね。

その他にも、注目すべきポイントがいくつかあるようです。
ひとつが、「Quibi」は、「コンテンツの表示速度が遅くて、検索も使い勝手が悪かった」という指摘です。

もうひとつは、「Quibi」が「視聴がスマホに限定されていて、テレビ画面に写せない仕様だった」こと。

もちろん、「Quibi」としては、スマホ視聴だからこそ「10分程度のショートムービー」が普及するという目論見だったはずですが……
そこにも大きな問題が潜んでいたようです。
それが、続いてのこちら。
「10分程度のショートムービー」が、いまの若い世代には「長い」ものだった!?

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?
スマホで観る動画……だからこそ、「10分程度のショートムービー」だった「Quibi」ですが、ここで考えられる問題としては、いまの若者たちが好む「スマホ視聴」の時間感覚は、もしかするとTikTokのような「数10秒程度」のものかもしれない、ということです。

そうした感覚があるのかもしれません。
ですが、先述したとおり、「Quibi」では「視聴がスマホに限定されていて、テレビ画面に写せない仕様だった」ため、ここでもユーザーに使い勝手の悪さを感じさせてしまったというわけです……。
さて、ここでもうひとつ、最近週刊誌で取り上げられていた興味深い記事をご紹介したいと思います。
映画もドラマも〈2時間〉はつらい!?

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?
ご紹介する記事は、『AERA(アエラ)』(2021年1月18日No.3号)に記載された、「映画もドラマも〈2時間〉はつらい」というものです。
こちらの記事では、「2時間の映画を観る集中力が続かなくなった」という視聴者の声が紹介されています。
(記事の内容から読み取れる)その原因としては、コロナ禍の影響や、スマホ・SNS中毒気味となった習慣、そもそも面白くない映画は途中で観るのをやめるからなど、さまざまなものがあるんですが、その記事が強調しているのは、このような感覚です。
YouTube視聴が習慣になり、映画やドラマの長時間ストーリーは疲れるようになった。
2時間じっと座って鑑賞する、というスタイルが廃れつつあるのでは?
(YouTube同様に映画やドラマも)重要だと思えないシーンは、1.5倍速で観る。
15分程度のショートドラマが、もっとも見やすく感じる。
そして、
映像コンテンツがあふれるなかで、長尺の映像作品は衰退していってしまうのか。映画は過去の遺物になってしまうのか。
(中略)
「現代は、長時間動画を受け入れられる文脈を作ることが重要です」
という言葉で締め括られています。

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?

しかし、あえてここで注目したいのは、こちらの意見。
15分程度のショートドラマが、もっとも見やすく感じる。
つまり、
(2時間程度の映画やドラマが今後廃れていくかどうかは別として)やはり、ショートドラマに対しては、今後さらに需要が高まっていく可能性はあるのではないでしょうか。
今回ご紹介したように、スマホ視聴に特化した短編動画のストリーミングサイト「Quibi」はサービスを終了することになったわけですが、
それでも、今後またこうした(ショートムービーが見やすい・観たいという)需要に対して、「面白いショートムービー」が観られるプラットフォームや動画配信サービスが注目されていく可能性は充分あると思うのです。
まとめ

注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?
最後にあとふたつ記事をご紹介して終わろうと思います。
>> “第2のTikTok”はどれか。世界で加熱する「短尺動画アプリ」最新事情を深掘り
(少し前のものですが)こちらの記事では、「TikTokに代表されるショートムービー市場の競争が加熱している」として、さまざまな短編動画アプリを紹介しつつ、今後の動向と課題について考察されています。
また、今年に入ってからも、中国で短編動画アプリ快手(Kuaishou)が大規模なIPO(新規株式公開)を目指すというニュースがありました。
>> 中国の短編動画アプリ快手、香港で5600億円規模IPO目指す

また気になるニュースがあったときには、このブログでも取り上げていきたいと思います!
というわけで、以上「注目の短編動画・ショートムービー配信サービスが失敗した理由とは?」でした。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
それではまた!
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