タイトルにあるとおり、これまでに手がけてきた戯曲を、noteで公開しました。
今回は、そのお知らせと合わせて、「シナリオ」と「戯曲」の違いについて触れた記事となっています。
こんな方におすすめ
- 戯曲がどんなものか知りたい人。
- 戯曲を読むこと・書くことに興味がある人。
戯曲をnoteで公開!【シナリオと戯曲の違いとは?】
僕は現在、映画監督・脚本家として主に映像制作に関わる仕事をしていますが、これまで定期的に演劇作品も発表してきました。
今回は、これまでに発表してきた演劇作品のなかから、合計8作品の戯曲をnoteで公開しました!
noteとは?
noteとは……文章・小説・写真・漫画・イラスト・音楽・映像などを投稿して、ブログやSNSのように使ったり、投稿したコンテンツを販売することができるWebサービス。
「個人クリエイターが自分のメディアとしてコンテンツを発表するプラットフォーム」として、2014年にリリースされました。
今回公開した戯曲については、それぞれ小さな公演で発表されたものですから、実際に観劇された方の人数はおそらく1作品につき1000人もいらっしゃらないと思いますが……書き上げた戯曲自体は、時間が経っても繰り返し鑑賞できます。
ずいぶん前に書いた作品もありますし、力不足な部分も多々ある作品たちではありますが……少しでも多くの方の目に触れる機会になればと願って公開することにしました。
そんな方々にとっても、なにかしら役立つものになればうれしいです!
なお、戯曲の形式は、読み慣れない方には多少とっつきにくい感じがあるかもしれませんが、読み進めるうちにすぐ慣れると思いますし、自由な想像力で、情景を思い浮かべながら読んでいただけたらきっと楽しんでいただけるはず!
戯曲とは? シナリオとの違いって?
公開した戯曲それぞれをご紹介する前に……せっかくですので、「演劇」や「戯曲」にあまり馴染みのない方に向けて、そもそも「戯曲ってなに?」ということを簡単にご説明させていただきます。
まずは、「戯曲」「脚本」「シナリオ」「台本」……それぞれの意味するものを確認していきましょう。
「戯曲」「脚本」「シナリオ」「台本」の違いは、下記のとおりです。
戯曲とは(ぎきょく)……
① 上演する目的で書かれた演劇の脚本。台本。
② ①の形式で書いた文学。劇文学。
(出典:広辞苑 第6版)
脚本とは……
演劇・映画・放送などの仕組・舞台装置および俳優の動作・せりふなどを記載した上演のもととなる本。台本。シナリオ。
(出典:広辞苑 第6版)
シナリオとは……
映画・放送などで、場面の順序、俳優の台詞・動作などを記した台本。脚本。
(出典:広辞苑 第6版)
台本とは……
台詞の書いてある本。脚本。シナリオ。
(出典:広辞苑 第6版)
つまり……
演劇の台本を「戯曲」「脚本」と呼び、映画・放送の台本を「シナリオ」「脚本」と呼ぶ、というわけですね。
とはいえ、「戯曲」と「シナリオ」はどちらも、ト書き(とがき)と台詞(せりふ)によって構成されている、という意味では大きな違いはありません。
「小説」とはまた違った読書体験は、きっと面白いと思いますよ!
無料で公開した戯曲
ここからは、公開した戯曲それぞれについて簡単にご紹介していきます!
まずは、無料で公開した戯曲(5作品)についてご紹介させていただきます!
戯曲『モナコ』
1作品目は、劇団プリセタ第9回公演作品として、2007年11月29日〜12月4日に下北沢・駅前劇場で上演された『モナコ』。
(劇団プリセタは、俳優の戸田昌宏さんと谷川昭一朗さんが主宰されていた劇団)
(また、掲載した当時のチラシ画像には作者の名前が「菅井菅」とありますが、これはチラシ作成後に菅井氏から僕が執筆を引き継いだという経緯があるためです)
公演詳細
プリセタ第9回公演『モナコ』
2007年11月29日〜12月4日@駅前劇場(下北沢)
作:菅井菅、浅野晋康
演出:世田谷ジェッツ
出演:戸田昌宏、谷川昭一朗、加藤直美、鈴木リョウジ、なんきん、富士たくや、関係長、宮本敏和、山本陽子、塚本さなえ、太田紘子、松永大輔
戯曲『ランナウェイ』
2作品目は、劇団プリセタ第10回公演として、2008年6月25日〜30日に下北沢・駅前劇場で上演された『ランナウェイ』。
(こちらも、クレジット上は連名になっていますが、諸事情により菅井氏から引き継いだ作品です)
公演詳細
プリセタ 第10回公演『ランナウェイ』
2008年6月25日~30日@下北沢・駅前劇場
作:浅野晋康・菅井菅
演出:世田谷ジェッツ
出演:戸田昌宏、谷川昭一朗、野村恵里、日下部そう、山口奈緒子、佐藤幾優、ひとみ、富士たくや、関係長、宮本寅吉、山本陽子、松永大輔、なんきん
再会した3人が、それぞれ追い求めていた「家族」について悩み、衝突する物語です。
戯曲『モノガタリ・デ・アムール』
3作品目は、劇団プリセタ第11回公演作品として、2009年4月8日~13日に下北沢・駅前劇場で上演された『モノガタリ・デ・アムール』。
公演詳細
プリセタ第11回公演『モノガタリ・デ・アムール』
2009年4月8日~13日@駅前劇場(下北沢)
作:浅野晋康
演出:世田谷ジェッツ
出演:戸田昌宏、谷川昭一朗、野村恵里、玄覺悠子、高橋京子、福津屋兼蔵、佐藤幾優、富士たくや、関寛之、山本陽子、松永大輔、清水葉月、なんきん
当時の僕は、健全な家族の関係が崩れたなかで新しい「家族のカタチ」を模索していくことに強く興味を持っていた記憶があります。
戯曲『アメリカに行く』
4作品目は、僕が俳優・鈴木将一朗氏と一緒に立ち上げた演劇ユニット【夏休みウルトラ計画】の第1回公演として、2008年8月22日〜23日に新宿ゴールデン街劇場で上演された『アメリカに行く』。
関連サイト
>> 鈴木将一朗プロフィール
公演詳細
夏休みウルトラ計画 第1回公演『アメリカに行く』
2008年8月22日~23日@新宿ゴールデン街劇場
作&演出:浅野晋康
出演:鈴木将一朗、井苅智一、関寛之、松永大輔、柳沢茂樹
照明:石井肇
音響オペレーター:東心平
WEBデザイン:相馬称
宣伝写真:渕野修平
チラシデザイン:高橋達彦
制作補佐:但馬美菜子
協力:名栗温泉、大松閣、studio erz、(株)Exin、鈴木慶、富雄会、ラストソングス、プリセタ、古原綾乃、山本陽子、田中美希恵
企画・製作:夏休みウルトラ計画
という、大人になった「友達」たちの物語です。
大人になると「友達」との距離感が変わっていく、そのことを描きたいと思って取り組んだ作品でした。
戯曲『1995年のサマー・アンセム』
5作品目は、僕が主宰する演劇ユニット【エマニュエル】の第2回公演として、2013年5月15日〜19日に下北沢・シアター711で上演された『1995年のサマー・アンセム』。
(エマニュエルは、浅野晋康が主宰する演劇ユニット。メンバーは、俳優の松永大輔)
公演詳細
エマニュエル 第2回公演『1995年のサマー・アンセム』
2013年5月15日~19日@シアター711(下北沢)
作&演出:浅野晋康
出演:松永大輔、鈴木将一朗、須田邦裕、大野眞斗、佐藤幸子(mizhen)、白井珠希、文嶋ことり、和田みさ、細江祐子
舞台監督:青木規雄
照明:富山貴之
音響:佐久間修一
衣装:小磯和代
制作:安田みさと
演出助手:小林加奈、森麻奈美
WEBデザイン:相馬称
協力:ワン・ツゥ・スリー、エビス大黒舎、ノックアウト、Ito・M・Studio
企画・製作:エマニュエル
「3.11」の2年後に行われた公演で、当時のさまざまな状況のなか、「執着すること」について考えながら執筆していた記憶があります。
有料で公開している戯曲
続いては、有料での公開とさせていただいた戯曲(3作品)です。
また、有料での公開ということで、公演当時の舞台写真や、ダウンロードできるPDFファイルもあわせて公開しています。
なお、もしも実際に映像化などが決まった場合には、公開を取りやめる可能性もありますので、ご興味ある方はお早めにご購入くださいませ!
戯曲『甘い記憶』
有料公開の1作品目は、エマニュエル第1回公演として2012年4月25日〜29日に下北沢・シアター711で上演された『甘い記憶』。
公演詳細
エマニュエル 第1回公演『甘い記憶』
2012年4月25日〜29日@下北沢・シアター711
作&演出:浅野晋康
出演:小野まりえ、伊藤久美子、山田キヌヲ、社城貴司、須田邦裕、林摩耶、松永大輔
舞台監督:青木規雄、須藤旭
照明:富山貴之
音響:佐久間修一
舞台美術:佐藤秀憲(ステージメイツ)
制作:安田みさと
衣装:小磯和代
チラシ写真:鈴木陽介
チラシデザイン:mee
WEBデザイン:相馬称
協力:グリスト、ヒラタオフィス、エージェントオフィスタクト、ワン・ツゥ、スリー、劇団東京乾電池、ノックアウト、ERZ、岩本良介、鈴木萌香、Ito・M・Studio、神林理央子、西尾佳織、菅井菅、鈴木将一朗、関寛之、白井珠希、武本健嗣、山本陽子、照井健二
企画・製作:エマニュエル
というよくある物語ですが、「〈3.11〉という大きな出来事を経て(身近な人の大切さを認識したはずなのに)、それでもなお、結婚に踏み切れないカップル」という着想からスタートし、他者との繋がりを求める私たちの「切実さ」と「愚かさ」を描こうと考えた作品でした。
戯曲『あの娘のランジェリー』
有料公開の2作品目は、僕が主宰する演劇ユニット[エマニュエル]と、(俳優&演出家の伊藤留奈さんが主宰する演劇ユニット)[作戦会議]のコラボレーションとして生まれた『あの娘のランジェリー』。
「エマニュエルの作戦会議」として、2016年6月15日〜19日に代々木上原のIto・M・Studioで上演されました。
(「作戦会議」は、Ito・M・Studio演技研究クラスの講師もされている俳優&演出家・伊藤留奈さんが主宰されている演劇ユニットです)
関連サイト
公演詳細
エマニュエルの作戦会議『あの娘のランジェリー』
2016年6月15日〜19日@Ito・M・Studio(代々木上原)
作&演出:浅野晋康
出演:松永大輔、太田正一、田中祐理子、廣田朋菜、藤沢玲花、β、保田あゆみ
照明:富山貴之
チラシデザイン:塚田弥与以
WEBデザイン:相馬称
チラシ撮影:福井琢也
協力:Ito・M・Studio、高岡事務所、株式会社ノックアウト、クォータートーン、株式会社アイトゥーオフィス、エビス大黒舎、株式会社PuR、ワハハ本舗、株式会社サーブプロモーション
企画:伊藤留奈(作戦会議)
製作:エマニュエル、作戦会議
という物語です。
公演が行われた前年は、多くの声が上がるなか安全保障関連法案が強行採決された年。
そうした状況にも影響されながら、本作は、教師と生徒それぞれが「正義」に駆り立てられる物語を描きたいと考え執筆しました。
戯曲『恋愛と余韻』
有料公開の3作品目は、エマニュエル第3回公演として2017年9月20日〜24日に代々木上原のIto・M・Studioで上演された『恋愛と余韻』。
公演詳細
エマニュエル 第3回公演『恋愛と余韻』
2017年9月20日〜24日@Ito・M・Studio(代々木上原)
作&演出:浅野晋康
出演:松永大輔、齋藤由衣、長尾翠、永野翔、服部竜三郎、吉牟田眞奈(THE SHAMPOO HAT)
制作協力:伊藤留奈(作戦会議)
制作助手:齋藤由依
写真撮影:ナツメ
チラシデザイン:塚田弥与以
WEBデザイン:相馬称
協力:Ito・M・Studio、株式会社ノックアウト、株式会社クォータートーン、株式会社TIARA-FRONTIER、株式会社キャットパワー、THE SHAMPOO HAT、エビス大塾
企画&製作:エマニュエル
という物語です。
エマニュエルのコンセプトのひとつは、「面白いラブコメ作品が作りたい」ということですが、本作では初めての挑戦として「夫婦という関係性」を描きたいと考えたのが着想のスタートでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、noteで公開した戯曲をそれぞれ紹介させていただきました!
できるだけ多くの方に楽しんでもらいたいと思って作り上げた作品ばかりなので、ぜひ気軽な気持ちでお読みいただけたらうれしいです。
というわけで、今回は以上「戯曲をnoteで公開しています!【シナリオと戯曲の違いとは?】」でした!
最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた。
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