はじめてタイ旅行に行った男(4)恐怖!バンコクの吸血鬼!?

7月 22, 2019

 

アユタヤ観光に行ったり、美味しいタイ料理を食べたり、僕とあひる師匠タイ旅行はいろいろなハプニングもありつつとても楽しく過ぎていきました……。

 

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はじめてタイ旅行に行った男(4)恐怖!バンコクの吸血鬼!?

別の日には、カオサン・ロードに行ったり、スーパーマーケットでお土産を購入したり、路地のバーで猫に遭遇したり、タラート・ナット・ロット・ファイ・ラチャダーというナイトマーケットへ行ってみたり。

 

カオサン・ロードとラチャダー・マーケット

チャオプラヤー川を船でカオサンロードへ向かう。その隣を走っていた小さなボート。

カオサンロード付近。

カオサンロード。

カオサンロード付近2。

スーパーマーケットに並んだ果物1。

スーパーマーケットに並んだ果物2。

バンコクの路地裏のバーにいた猫。

BTSアソーク駅近くのスダー食堂。

ナイトマーケット(タラート・ナット・ロット・ファイ・ラチャダー)。

ナイトマーケット(タラート・ナット・ロット・ファイ・ラチャダー)。

 

どれもこれもが新鮮で、楽しい時間はあっという間に過ぎていきます……。

 

恐怖! 暗がりの先にいた怪しい女は……!?

そんなある日の夜、僕たちはBTSサラディーン駅近くの食堂で夕食を食べることになりました。

例によって、あひる師匠が調査の末に見つけ出してくれたそのお店は、駅を出てすぐ、小さな路地の暗がりの先にありました。

 

こっちだ!

 

怪しい暗がりを、あひる師匠がぐんぐん進んで行きます。

僕は、なにか恐ろしいことが起こるんじゃないかとビクビクしながらその後を追います……。

 

すると、暗い路地を進んだその奥に、若い女が佇んでいます。

 

なんだ、あの女は!

 

とっさに身構えた僕に、女は笑顔で手招きしています。

 

まだ10代でしょうか……。

若いです。

けれど……怪しい!

 

ま、ま、まさか、アレが噂の……!?

 

ついに、このときが来た!

 

僕は、怯えながらも、小さくあひる師匠に問いかけました……。

 

師匠、アレが噂の、レディボーイでしょうか?

 

そうです。

すでにこのブログでも書きましたが、タイのレディボーイはほんとうに美しいと言われているのです。

 

その証拠に、こんな動画を見つけました。

つい先日開催されたという、タイでもっとも美しいニューハーフを決める美人コンテストで優勝したディアさんです。

 

 

さすがに優勝しただけあって、キレイですよね。

こんな人を街角で見かけても、僕には「彼女はレディボーイだ!」と断言できる自信がまるでありません……。

もちろん、僕はレディボーイニューハーフに対して偏見は持っていないつもりではありますが、それでも、「性別がどちらかわからない」という状態は、なぜかいたずらにドキドキさせられてしまうのです。

 

そんなわけで、僕は暗がりの先で手招きする女を見て、ひどく狼狽しながらあひる師匠に問いかけたのでした。

 

師匠、アレが噂の、レディボーイでしょうか?

 

すると、あひる師匠はカッと目を見開いて、厳しい口調で僕に言いました。

 

バカヤロウ! なんて失礼なことを言うんだっ! あの女の子のどこがレディボーイなんだよ! ただの食堂のウェイトレスだろっ!

 

え、ウェイトレス……!?

 

なんということでしょう。

よく見れば、少女と言ってもいいような年頃で、まだあどけなさが残る素朴な雰囲気の女の子ではないですか!

暗い路地の先で手招きしていたのは、僕たちが向かっていた食堂のウェイトレスの女の子だったのです!

 

優しい笑顔の女の子で、恥じらうように僕たちを店のなかに案内してくれます。

 

あぁ、失礼な態度を取ってしまったかもしれないなぁ……。

 

と思いながらも、ホッと脱力してその店を見渡すと、広くて天井が高い、とても居心地がいい食堂です。

 

店の名前は覚えていませんが、注文した料理もどれも美味しくて、僕とあひる師匠は大満足しながら会話と料理を楽しむことになったのでした……。

 

恐怖! バンコクの吸血鬼に襲われて……!?

ところが!

僕とあひる師匠が美味しいタイ料理に大満足しながら、会話を楽しんでいたら……なにやら不穏な響きが、かすかに聞こえてきました。

 

ぶ〜ん……ぶ〜ん、ぶ〜ん……。

 

ん? なんだ?

 

あ、蚊だ。蚊がいますね。

 

蚊か……。

 

蚊です。

 

蚊だな。

 

ぶ〜ん……ぶ〜ん、ぶ〜ん……。

 

蚊が飛んでいます。

 

ぶ〜ん……ぶ〜ん、ぶ〜ん……。

 

蚊です。

 

ぶ〜ん、ぶ〜ん……ピタッ。

 

ふいに、蚊の音がやみました。

 

……チュー、チュー。

 

ん?

これはなんの音だ?

 

チュー、チュー?

 

あれ? なんか、足が痒いような……。

 

あぁ〜っ! 蚊に刺されたぁ〜っ!

 

なんと、さきほどまで飛んでいた蚊は、僕の足に止まってチューチュー血を吸っていたのです!

 

あぁ〜っ、なんてこった!  やられたぁ〜っ!

 

蚊にやられたか……。

 

あひる師匠……タイの蚊は……大丈夫なんでしょうか?

 

いや……タイの蚊は、ガチでアウトなヤツだ。

 

ガチでアウトなヤツ……。

 

キミ……もしかしたら、デング熱にかかって、タイで入院するハメになるかもしれないぞ。

 

えぇ〜! デング熱、ですか……?

 

そう、デング熱だ!

 

あひる師匠の豆知識!

「デング熱」は、蚊に刺されると感染する恐ろしい疾患だ! 症状は、急激な発熱、頭痛、嘔吐など! 通常は、発症後1週間程度で解熱するが、まれに重症化して、「デング出血熱」や「デングショック症候群」を発症することがあり、死に至ることもあるぞ!

 

「死に至るって」……そんな……ど、ど、どうしましょう!

 

ヤバいな……。

 

えぇ……。

 

……どうだ? 痒いか?

 

痒いです!

 

そうか……日本の蚊と比べるとどうだ?

 

日本の蚊の、2倍は痒い気がします!

 

……死ぬかもしれないな。

 

そ、そんなぁ……。

 

やられてしまいました……。

ここ数日のあいだ、大きなトラブルもなく旅が続いていたからでしょうか、油断していた僕は、ついに命の危機へと追い込まれることになってしまったのです……。

 

なんということでしょう。タイには、やはり心配していたとおり、命の危険がいっぱいあったのです!

もしかしたら……僕はこのままデング熱が発症し、タイの病院に入院して、そのまま、高熱にうなされながら、はるか遠い故郷を思って死んでいくのかもしれません……。

まさか、自分が「蚊に刺されて死ぬ人生」をおくるとは思ってもみませんでした。

誰もがいずれは死ぬとはいえ、このパターンは想定外です。

 

ああ、どうしてタイになんて来てしまったんだ!

 

ショックのあまり、そんな後悔が胸に押し寄せてきます……。

 

バカヤロウ! 気をしっかり持て!

 

すっかり酔っ払って赤ら顔になったあひる師匠が、僕に向かって言いました。

 

す、すいません……。

 

たしかに、デング熱の危険はゼロではないが……それより、いま俺たちにはもっとほかにやるべきことがあるはずだろう!

 

やるべきこと、ですか……?

 

そうだ! 俺たちは、いまどこにいる?

 

いま?

 

いま、俺たちはバンコクにいるんだぞ!

 

そうですね、バンコクにいます……。

 

てことは? なんだ?

 

てことは……?

 

俺たちは、いまこそ真の冒険へと旅立たなければいけない!

 

真の冒険……旅立つって……?

 

見ろ! 時刻は、20時を過ぎている……。

 

はい……。

 

まだわからないのか!

 

……すいません、どういうことでしょう?

 

俺たちは……そろそろ、夜のバンコクを観光しに行かなければいけないんだよ!

 

よ、夜のバンコク……!?

 

そう! 夜のバンコクだ! 俺たちのバンコクナイツだ! 夜の大捜査線だ!

 

なんと魅惑的で、恐ろしい響きなんでしょう。

 

どうやら、僕とあひる師匠タイ旅行は、唐突にもクライマックスを迎えようとしているようです……。

 

(つづく)

 

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