楽しいアユタヤ観光を終えた僕とあひる師匠は、ロットゥーに乗ってバンコクに戻ったのでした……。
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はじめてタイ旅行に行った男(3)激辛タイ料理!
この日は、BTSチョンノンシー駅の近くで夕食をとることになりました。
熱中症の危機から復活したあひる師匠が、まるで常連客のような口ぶりで案内してくれたのは、レックシーフードというお店です。
美味しいタイ料理
ところで、タイはもちろん基本的に日本語は通じませんし、僕もあひる師匠もタイ語はもちろん、英語もほとんど中学生レベルです。
そのうえ、多くのタイ人が使う英語は、語尾が消える感じになる独特な口調なので、英語でのやりとりもかなり怪しいと言わざるを得ません。
それでも身振り手振りを交えながら、ほとんど問題なくコミュニケーションできているのは、なんといっても海外旅行の楽しさだなぁと思います。
そんなわけで、食事のときもメニューを指差しながら、怪しい英語で注文です。
適当ですね。
でも、こんな感じでもまったく問題なく、なんとなく通じるのが楽しいんですよね。
そして、あひる師匠が調べあげてくれたオススメ店の料理は、どれも美味しくて大満足! 店員さんも親切で、気持ちいい時間となりました。
そう言いながら、あひる師匠は卓上に置かれていた唐辛子やナンプラーをどんどん料理にふりかけていきます。
ただでさえ辛いタイ料理を、超激辛にアレンジしたあひる師匠は、躊躇なくそれを口に運ぶと、嬉しそうな笑顔でモグモグしています。
そうして、気持ちよく酔っ払い、お腹いっぱいになった僕とあひる師匠。
すると突然、あひる師匠が思いがけないことを言いました。
なんというか、もう、いろいろツッコミたいことばかりですが……でも、目の前で苦痛に顔を歪めるあひる師匠を見ていると、心配にもなってきます。
いったい、この人はなにを言い出したんでしょうか……?
僕は、思わず呆れてよくわからない気分になりながらも、なぜかその一方で、まったく違う感情が湧き上がってくるのを感じていました……。
どういうわけかわかりませんが、静かな感動がジワジワと胸を満たしてきたのです。
その理由は、苦痛のなかでも、おのれの欲望のままに生きようとするあひる師匠の姿です。
まるで子供のようなそのふるまいは、この光と陰がごちゃまぜになったバンコクという大都市の喧騒のなかで、なにかとても正しいものとして輝いて見えたのでした。
弱くて、情けなくて、カッコ悪くて、むき出しで、欲望まみれな、ありのままの人間の姿に、僕はほとんど涙腺が崩壊するのではないかという感動を覚えて、震えながら声をしぼり出しました。
そうして、やがて運ばれてきたタロイモとココナッツのアイスは、
っていうくらいカチンコチンに冷えていて、なんだか僕たちの感動と欲望は、なまぬる〜い感じにバンコクの夜へと溶けて消えていったのでした……。
(つづく)
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