僕は、40代になってようやく「お金」や「経済」について真面目に勉強するようになりました。
高齢になった祖父母や親の介護、子育てなど……30代を過ぎてから直面する問題は多くありますが、そうしたことを僕は10代20代の頃にまるでリアリティを持って実感することができませんでした……。
だから、同じく「お金」に関しても強い関心は持てませんでしたし、「お金儲け」にも興味がありませんでした。
というか逆に、「お金儲け」に執着する人のことを、「汚い」とすら感じていたかもしれません。
そんなわけで、若い人にこそ「お金の知識」を身につけて欲しい!
というわけで、今回は「お金に興味がない」という方に向けて、「お金」と「幸福度」の関係について考えてみます!
こんな方におすすめ
- お金に興味がない人
- お金儲けは汚いと感じている人
- 人生の幸福度を上げたい人
どうしてお金儲けが汚いと思うのか?【お金と幸福度の関係】
結論からお伝えすると、「お金」と「幸福度」の関係について考えることが大切な理由は……
それをしっかり考えることによって、人生をより豊かに歩んでいくことができる(かもしれない)から!
たとえば、「お金のことを四六時中考えているのは不幸だ」というのは、多くの人が賛同する意見だと思いますが……
これって決して、「お金儲けが大好きな、お金持ちの人たち」のことではありません。
なぜなら、そうしたお金持ちの人たちは、「四六時中お金のことばかり考えているわけではないからです。
そうではなく、お金のことばかり四六時中ずーと考えている人、お金に振り回されて生きている人は……「今月の家賃や電気代の支払いに困窮している人たち」です。
「お金儲けは汚い」と考え、「お金の勉強」をしない人ほど、充分な資産を持つことなく生活に困窮してしまう、というふうにも考えられるからです。
そういった意味でも、「お金」と「幸福度」には無視できない繋がりがあるのだと思います。
そして……だからこそ、僕たちが「お金」と「幸福度」について考えることも大切になってくるというわけです。
『幸福の「資本」論』
とはいえ、「幸福」という概念はひどく漠然としていて捉えどころがありません……。
そこで、この問題を整理して考えるため、ひとつ書籍をご紹介します。
作家・橘玲(たちばな・あきら)さんの著書、『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』です。
この書籍では……人生を、「金融資産」「人的資本」「社会資本」という3つの資本で把握することによって、「幸福」という捉え難いものにカタチを与えられる……と語られています。
幸福の条件
『幸福の「資本」論』では、まず「“幸福の条件”とは何か」が語られます。
それがこちらの3つ……
自由。
自己実現。
共同体=絆。
そして、「お金」とうまく付き合いながら、人生の「幸福度」を上げるためには、次の3つの資産(資本)をバランスよく保つことが重要だと語られます。
金融資産
人的資本
社会資本
さらに、「幸福の条件」の3項目は、それぞれ3つの資産(資本)に対応していると言います。
それではあらためて、上記に挙げた3つの項目、「金融資産」「人的資本」「社会資本」それぞれを具体的に見ていきましょう。
自由/金融資産(資本)
「金融資産」は、「自由」と結びつきます。
その理由がこちら。
「自由」とは「誰にも、何ものにも隷属しない状態」のことで、そのためには一定の条件を満たさなければなりません。
この条件とは、端的にいえば「お金」です。
(『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』著:橘玲より抜粋)
ここで語られているとおり、「自由」というのは、「なににも縛られない状態」のことです。
そして、その「自由」の土台となるのが、「経済的な独立」であり、「金融資産(資本)」の運用ということになります。
自己実現/人的資本
「人的資本」は、「自己実現」と結びつきます。
まず「人的資本」についてですが……そのもとになっているのが、「労働者は自らの人的資本を労働市場に投資している」という考え方です。
つまり、「人は、自らを労働市場に投資する(働く)ことで、日々の糧となる収益(給料)を得ている」という視点から捉えられるのが、「人的資本」となります。
一方、「自己実現」とは、たとえば「かけがえのない自分になること」と考えられます。
このことからわかるのが……僕たちは無意識のうちに「働くこと」に2つの目標を設定している、ということです。
その2つの目標がこちら。
① 人的資本から、より多くの富を手に入れる。
② 人的資本を使って自己実現する。
けれど、この2つが同時に成り立つものでしょうか?
一見矛盾するようなこの2つの目標を達成するために、本書が掲げる基本戦略が次の3つです。
① 好きなことに人的資本のすべてを投入する。
② 好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける。
③ 官僚化した組織との取引から収益を獲得する。
人生100年時代の人生戦略は、いかに人的資本を長く維持するかにかかっています。
(中略)
私たちは、「好きを仕事にする」以外に生き延びることのできない残酷な世界に投げ込まれてしまったのです。
(前掲書より抜粋)
僕たちが「幸福」になるためには、「好きなことを仕事にする」ことがとても大切になってくる、というわけです。
共同体=絆/社会資本
「社会資本」は、「共同体=絆」と結びつきます。
「社会資本」とは、すなわち「人間関係(つながり)」のこと。
また、「共同体=絆」も同様に「人間関係(つながり)」から生まれるものです。
そして本書では、「幸福」は、この「社会資本」からしか生まれない、と語られます。
その理由は、「共同体=絆」というものが、お金を介して構築されるものではないから。
さてここで大きな問題が発生しました。
「お金」の存在が、私たちを「幸福」から遠ざける可能性がある……ということです。
それは……どうして私たちは「お金を汚い」と感じてしまうのか? ということに繋がります。
私たちは、無意識のうちに「お金は汚い」と思っています。
しかしなぜ、このような奇妙な感情を持つようになったのでしょう。お金がなければ生きていけないことをみんな知っているはずなのに。
それは、お金が愛情や友情といった大切な価値を破壊するからです。
友だちの家に招かれて、プレゼントの代わりに現金を渡せばびっくりされるでしょう。
恋人とのデートで、セックスの後に3万円払えば売春になってしまいます。
3万円の指輪をプレゼントすれば、すごく喜ぶのに。
これは、プレゼントを選ぶ過程に愛情が込められている、とされているからです。
(前掲書より抜粋)
上記の例からもわかるように、「お金が人間関係(とその大切な価値)を壊す」可能性があるために、僕たちは「お金に執着することが汚い」とか「お金儲けは汚い」と感じてしまうようです。
けれどその一方で、「自由」のためには「お金」がとても大切であることはすでに見てきたとおりです。
3つの資本から「理想の人生のポートフォリオ」を考える
ここまで見てきたことをまとめます。
自由/金融資産(資本)
「自由」の土台となるのは、「経済的な独立」。
自己実現/人的資本
① 人的資本から、より多くの富を手に入れる。
② 人的資本を使って自己実現する。
という2つの目標を達成するための基本戦略は、以下の3つ。
① 好きなことに人的資本のすべてを投入する。
② 好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける。
③ 官僚化した組織との取引から収益を獲得する。
共同体=絆/社会資本
「幸福」は、「社会資本」=「人間関係(つながり)」からしか生まれない。
経済的に独立し、充実した仕事をし、家族や友人との強い絆で囲まれた人生を理想とする人は多いでしょうが、多くの場合、こうした「超充」の人生ポートフォリオは実現できません。
なぜなら、お金が人間関係のトラブルを呼び込むからです。
(前掲書より抜粋)
つまり、3つの資本をすべて満たすことは、そもそも不可能なことなのかもしれません。
自由な人はお金を持っているけれど人間関係に満たされず、人間関係に満たされる人は自由になるほどのお金を手に入れることはできない……というように。
それでも、本書ではかすかな希望を見出そうとしています。
3つの資本をどのようなバランスで考えていけば「理想の人生のポートフォリオ」が築けるのか……?
それは「答え」というよりも「ヒント」といったものですが、著者はこのように語っています。
これは夢物語ではなく、知識社会に最適化した現実的な戦略です。
もちろん、いまの日本に生まれたという「奇跡」と「幸運」を活かすなら、あなたにも実現可能なことはいうまでもありません。
(前掲書より抜粋)
誰でも億万長者になれる
最後にもうひとつ。
「自由」と「経済的な独立」を手に入れるためには、「お金の勉強」がとても大切!
まずはこのことをしっかり伝えたいと思います。
もちろん「お金の勉強」と言っても幅広い知識が必要にはなりますが、たとえば今回ご紹介した書籍『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』で語られている下記のような話も、そのとっかかりになる重要なものです。
著者は、「誰でも億万長者になれる」と語っているのです。
日本では、大卒の平均的なサラリーマンが生涯に得る収入は3億円〜4億円とされています。
共働きの夫婦の生涯収入を総額6億円として、そのうち15%を貯蓄すれば、それだけで9,000万円です。
仮に貯蓄率を10%(6,000万円)としても、年率3%程度で運用すれば、やはり退職時の資産は1億円を超えているはずです。
(前掲書より抜粋)
つまり、倹約と資産運用で、誰もが億万長者になれるという話です。
そして、せっかく就職したのに「結婚や出産を機に専業主婦になること」は、手に入るはずだった「経済的な独立」を自ら捨てる行為だ、というわけです。
けれど同時に、人生100年時代を生きる私たちは、今後ますます残酷な格差社会を生きていかなければならないだろうとも予想されます。
「やりがい搾取」や「低賃金」の環境のなかでただただ必死にがんばり続けて……いつの間にか、気付いたら貧困から抜け出せなくなっていた……。
そうした状況にならないためにも、夢に向かって精力を注ぎつつアルバイトをしていた20代の頃の僕のような方々にこそ、ぜひ積極的に「お金の勉強」をしていただきたいと願っています!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「お金に興味がない」という方に向けて、「お金」と「幸福度」の関係について書かせていただきました。
だからこそ、若いうちからお金の知識をしっかり身につけることが、セーフティネットとしても重要だと思うんです。
ぜひ、食わず嫌いをせず、積極的に「お金の勉強」をすることをおすすめします!
というわけで、今回は以上「どうしてお金儲けが汚いと思うのか?【お金と幸福度の関係】」でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それではまた。
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