
映画『お引越し』

今回はそんな疑問にお答えします。
独特な長回し撮影や、若手俳優に対して「何度も何度も繰り返し演じさせ考えさせる」という厳しい指導方法が、伝説的な逸話となっている相米慎二監督。

つまり、プロが惹きつけられる魅力がたくさんあるってことですね。
その秘密は……やはり実際に作品を観ていただくしかないんですが、まずは多くの方に知っていただくため、相米慎二監督の素晴らしい作品の数々をご紹介していきたいと思います!
映画ファン必見!相米慎二監督の映画をまとめてオススメ!

相米慎二監督
作品を紹介していく前に、サクッと相米慎二監督のプロフィールをおさらいしておきます!
相米慎二(そうまい・しんじ)監督は、1948年生まれ・岩手県盛岡市出身の映画監督です。
(残念ながら、惜しくも2001年に亡くなりました)
大学を中退後、契約助監督として日活撮影所に入所。
さまざまな作品に助監督として関わったのち、1980年、薬師丸ひろ子さん主演の『翔んだカップル』で映画監督デビューしました。
その後、大ヒット映画『セーラー服と機関銃』を経て、1982年には、企画・制作会社「ディレクターズ・カンパニー」の設立に参加。
1985年には、(「ディレクターズ・カンパニー」製作の)映画『台風クラブ』で第1回東京国際映画祭・ヤングシネマ'85部門大賞を受賞しました。

1982年、新進の映画監督9人が集まって作られた映画製作会社のこと。
通称ディレカン。
メンバーは、長谷川和彦、相米慎二、高橋伴明、根岸吉太郎、池田敏春、井筒和幸、大森一樹、黒沢清、石井聰亙。
さらに、1993年には、映画『お引越し』で芸術選奨・文部大臣賞を受賞、同作は、第46回カンヌ国際映画祭・ある視点部門にも出品されました。
そうして、2001年に、遺作となった映画『風花』が公開。
同年9月9日、肺癌のため死去されました。

僕は、当時のことをよく覚えているのですが、その理由は、ちょうど台風がやって来ているなか、9月9日に相米慎二監督が亡くなり、その2日後の9月11日に、(ニューヨークのワールドトレードセンタービルに飛行機が突っ込んだ)同時多発テロが起きたからです。
アレから、もう20年が経つんですね……。
その頃に生まれたミレニアムベイビーたちが、もう成人する年齢です。
若い方々にとっては、相米慎二監督の作品もあまり馴染みのないものでしょうから、今回の記事を読んだ方が少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。
というわけで、あらためて相米慎二監督が手がけてきた素晴らしい映画の数々をご紹介していきたいと思います!
『セーラー服と機関銃』

映画『セーラー服と機関銃』
まずは、興行的にも大ヒットした相米慎二監督の代表作『セーラー服と機関銃』。
原作は赤川次郎の同名小説で、1981年に公開されました。
出演は、薬師丸ひろ子さん、渡瀬恒彦さん、風祭ゆきさん、柄本明さん、三国連太郎さんなど。
1982年には、原田知世さん主演でドラマ化、2006年には、長澤まさみさん主演で再ドラマ化、さらに2016年には橋本環奈さん主演で再び映画化もされました。
あらすじ
不慮の事故で父親を亡くした主人公・女子高生の星泉。
そんななか、父の愛人だったという女・マユミが現れて……。
その翌日、泉の通う高校に、数人のヤクザがやって来る。
泉の遠い血縁だったというヤクザの組長が亡くなったため、子分たちはその組長の遺言に従って、「目高組の四代目組長を襲名して欲しい」と泉に頼みにやって来たのだ。
そんな思いがけない申し出を、泉はかたくなに拒否するのだが……!?

個人的には、相米慎二監督作品を最初にこの映画から体験するのは少しハードルが高い気がするのであまりおすすめしませんが、何本かご覧になったあとに観るとほどよく楽しめるのではないかと思います!
『ションベン・ライダー』

映画『ションベン・ライダー』
続いては、1983年に公開された映画『ションベン・ライダー』。
出演は、藤竜也さん、河合美智子さん、永瀬正敏さん、坂上忍さん、原日出子さんなど。
あらすじ
3人の中学生(ジョジョ、辞書、ブルース)は、いつも自分たちをいじめるガキ大将のデブナガに反撃しようと考えるが……そんなとき、3人の目の前でデブナガが何者かに誘拐されてしまう!
デブナガの父親が関わるヤクザの仕業だと知ったジョジョたち3人は、デブナガを救出するため奮闘することになるのだが……!?

映画ファンにとっては、驚異的なロングショットや長回しなど、思わず目を見張るシーンも!
まだ子役と言える年齢の、河合美智子さん、永瀬正敏さん、坂上忍さんの姿も必見です。
ちなみに、相米慎二監督は、かつてこのように語っています。
「(『ションベン・ライダー』が)80年代の日本映画に及ぼした影響というのはとっても強かったという風に人が語り、僕もそう思っているんですけども、その『ションベン・ライダー』というバカな映画が残したことは、一つには、50年代以降映画がお客さんから最も遠いメディアとして世の中の片側に追いやられる中で忘れてきたこと、映画本来の暗闇と対面することの中から受け取る方法の一番大きなものとしてあったキャメラというものに対する、自分なりの新しい模索をそこから始めなければならなかった、ということなのです」
さらにこうも言ってます。
「映画がなぜ映画でなければいけないかということに対する事を試みただけの映画ですから、映画を勉強しようとするならこの映画を観てくれると、多分面白いんだという風に思います」
そして、こう締め括ってます。
「僕が80年代から、不必要だといわれながら、映画における長回しとか、音に対する偏執狂的な効果の使い方というのをするということで、ある評価と、もう一方には完全な否定との両方を頂いていた訳で、これは意識的にそうした訳だから、そうしたこともまた僕が思っていたことがその通り映画をめぐる環境の中で現れたわけです。
そういう疑問を投げかけることのための映画としての『ションベン・ライダー』という見方をなさってくれたら、もう少し違う映画の断面が見えるような気がします」
(出典:『蘇る相米慎二』木村建哉・中村秀之・藤井仁子 編)
いかがでしょう?
こんな言葉を読んで、映画が観たくならないわけがないですね。

『魚影の群れ』

映画『魚影の群れ』
次は、1983年に公開された映画『魚影の群れ』。
原作は、吉村昭の同名小説。
出演は、緒形拳さん、夏目雅子さん、佐藤浩市さん、矢崎滋さん、レオナルド熊さん、石倉三郎さん、十朱幸代さんなど。
緒形拳さんが、第26回ブルーリボン賞・主演男優賞を受賞。
夏目雅子さんが、第8回報知映画賞・主演女優賞を受賞しています。
あらすじ
厳しい北の海で命がけのマグロ漁に取り組んできた小浜房次郎は、ある日、娘のトキ子からひとりの青年・依田俊一を紹介される。
トキ子との結婚を認めてもらいたい俊一は、房次郎にマグロ漁を教えて欲しいと頼むのだが……!?

なんてことないふうに見えますが、緒形拳さんも夏目雅子さんも本当にすごい俳優さんだと思います。
ぜひ、俳優志望の方にも観ていただきたい一作です。
『ラブホテル』

映画『ラブホテル』
続いては、1985年に公開された映画『ラブホテル』。
脚本は石井隆さん、撮影は篠田昇さん。製作はディレクターズ・カンパニーです。
出演は、速水典子さん、寺田農さん、尾美としのりさん、伊武雅刀さん、佐藤浩市さんなど。
あらすじ
経営していた出版社が倒産し、人生に絶望した主人公・村木は、ホテトル嬢の名美と出会う……。
その二年後。タクシー運転手として働きはじめた村木は、タクシーの客として乗せた名美と偶然再会することになって……!?

美男美女ばかりの恋愛青春映画に食傷気味の方には、ぜひ思い切ってこの作品を観ていただきたいです!
『お引越し』

映画『お引越し』
次は、1993年に公開され、第46回カンヌ国際映画祭・ある視点部門にも出品された映画『お引越し』。
出演は、中井貴一さん、桜田淳子さん、田畑智子さん、笑福亭鶴瓶さんなど。
あらすじ
ある日突然、両親が離婚を前提とした別居をすることになり、母・ナズナとふたりで暮らすことになった小学6年生の漆場レンコ。
自分ではどうしようもない状況のせいで、レンコは次第に、家でも学校でも行き場をなくしてしまって……!?
そんななか、レンコは家族を元の姿に戻すため、ある行動を起こすのだが……!?

そして、この一本でやられてしまいました……。
とにかく、断固オススメの傑作です!
すっかり大人の女優さんになりましたが、田畑智子さんのデビュー作でもあります。
映画ファンなら見逃す手はありません。
ぜひご覧ください!
『夏の庭』

映画『夏の庭 The Friends』
続いては、1994年に公開された映画『夏の庭』。
原作は、湯本香樹実の同名児童小説。脚本は田中陽造さん。
出演は、三国連太郎さん、戸田菜穂さん、笑福亭鶴瓶さん、寺田農さん、柄本明さん、矢崎滋さん、淡島千景さんなど。
あらすじ
小学6年生の男子3人(木山・河辺・山下)は、ふと「人の死」について興味を抱いたことから、近所に住む少し変わったひとりの老人に目をつけた……。
そして、その老人がどんな死に方をするのか見張ることに!
ところがそんなある日、観察を続けていた男子3人は、老人に見つかってしまって……!?

夏休みには、ぜひこういう作品をご家族で観てもらいですよね。
原作小説とともにおすすめです!
『あ、春』

映画『あ、春』
こちらは、1998年に公開された映画『あ、春』。
出演は、佐藤浩市さん、山崎努さん、斉藤由貴さん、藤村志保さん、富司純子さん、三浦友和さん、余貴美子さん、笑福亭鶴瓶さんなど。
あらすじ
エリート証券マンの韮崎紘は、逆玉結婚で手に入れた幸福な生活を送っていた……。
ところがある日、そんな紘の前に、幼い頃に死に別れたはずの父親・笹一が現れて……!?
やがて、笹一が実の父親であることが判明し、紘たち家族は笹一と同居することになるのだが……!?

一見すると平凡なホームドラマにすら感じるかもしれませんが、じっくり見ると、すべてが高度でマジでビビります。
脚本家や映画監督になりたい人には、ぜひ観ていただきたい一作です!
『風花』

映画『風花』
最後は、2001年に公開された映画『風花』。
原作は、鳴海章の同名小説。
出演は、小泉今日子さん、浅野忠信さん、麻生久美子さん、柄本明さん、尾美としのりさん、小日向文世さん、鶴見辰吾さん、椎名桔平さん、笑福亭鶴瓶さんなど。
第25回日本アカデミー賞・主演女優賞にノミネート(小泉今日子)され、相米慎二監督の遺作となった映画です。
あらすじ
酔っ払って起こした万引き事件のせいで謹慎中のキャリア官僚・廉司と、亡夫の残した借金返済のため、幼い娘を故郷の母親に預けて東京で働いているピンサロ嬢・ゆり子。
ある夜出会ったふたりは、ゆり子の故郷・北海道へ向かうことに…‥。
ところが、正反対の性格をしたふたりの旅は、ギクシャクしっぱなしで……!?

最近見直したんですが、小泉今日子さんが可愛らしさもあいまって本当に素晴らしいです。
未見の方は、ぜひご覧ください!
相米慎二監督作品を無料視聴する方法!
いかがだったでしょうか。
今回は、動画配信サービスのU-NEXT で手軽に観られる作品にしぼってご紹介させていただきました!
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(サクッと登録して映画を楽しんだあとに、「やっぱりお金を払うほどじゃないな」と感じたら、無料期間中に退会してしまえば実質無料での利用も可能です)
というわけで、傑作揃いの相米慎二監督作品ですが、今回ご紹介した映画のほかにも、『翔んだカップル』『台風クラブ』『雪の断章』『東京上空いらっしゃいませ』など、まだまだ見逃せない傑作映画がたくさんあるので、ぜひDVDやブルーレイなども手に取っていただければと思います!
『翔んだカップル』

映画『翔んだカップル』

『台風クラブ』

映画『台風クラブ』

『東京上空いらっしゃいませ』

映画『東京上空いらっしゃいませ』

まとめ
というわけで、今回は以上「【映画ファン必見!】相米慎二監督の映画をまとめてオススメ!」でした。

最後までお読みいただいてありがとうございました!
それではまた。
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